2006 年 23 巻 p. 171-177
高速道路や新幹線など、空間抵抗を解消するインフラ整備は都市階層や構造を現在までに大きく変えてきた。今後はIT化が都市階層・構造の変化に及ぼす影響が大きいと考えられるが、その実態は全く明らかにされていない。本研究ではサイバー空間上に進出している店舗を実際に抽出し、その実空間上での立地場所を特定することで、IT化が店舗立地を通じて都市階層・構造の変化に及ぼす可能性を明らかにした。分析の結果、全体の傾向としてはむしろ一極集中が進むことや、現在までは立地が考えられなかった遠隔地に店舗立地が見られるケースもあることを具体的に明らかにした。