2006 年 23 巻 p. 187-194
世帯タイプによって立地・交通行動が異なることが明らかにされてきているが, 同じタイプの主体が異なる都市圏でも行動・選好が共通かどうかはあまり検討されていない. 本研究は同一の関数型・変数の土地利用・交通モデルを都市構造が異なる3都市圏に適用し, 主体の行動・選好を推定されたパラメータでとらえ, 世帯タイプ間・都市圏間での比較を行った. その結果, 世帯員数が少ない世帯タイプは車保有の割合が低く, 利便性や公共交通機関を重視して居住地を選択する傾向があること、同じ世帯タイプでも人口分布・規模や交通施設の状況によって選好が異なることなどを明らかにした.