2006 年 23 巻 p. 447-454
本論文では, 社会心理学の態度理論に基づいて, 何らかの交通施策を行った場合の交通需要の変化を予測する手法として藤井, ヤーリングによって提案されている行動意図法 (BI法) を, 鉄道新線 (みなとみらい線) の需要予測に適用した。そして, その予測結果を開業後の実際の需要と比較することにより, BI法の鉄道新線需要予測への適用可能性を検証した結果, 鉄道新線の簡便な需要予測手法として, 特に, 短期的で影響範囲が限られるような場合にBI法が有効であることを示すことができた。また, BI法による予測において重要となる「行動一意図一致率/不一致率」の検証を行い, 新たな知見を得ることができた。