抄録
ロードプライシングは都心部の道路交通問題を解消するための効果的な政策であることが知られている. しかしながら, ロードプライシングは社会的受容性が低く, その実施が極めて困難である. そこで, ロードプライシングに代わる新たな道路課金施策と考えられる駐車デポジットシステムについて, 社会的受容性に関するロードプライシングとの差を分析する. 名古屋市都心部への来訪者を対象としたアンケート調査データを用いてロードプライシングおよびPDSへの賛否選択モデルを構築し, 社会的相互作用下での施策賛成率の変化について分析した. 分析の結果, PDSがロードプライシングと比較して受容性を大きく緩和できる可能性を示した.