土木計画学研究・論文集
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下水処理施設の最適点検・補修モデル
堀 倫裕小濱 健吾貝戸 清之小林 潔司
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2008 年 25 巻 p. 213-224

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抄録

下水道処理施設のアセットマネジメントにおいては, 点検・補修を実施するために処理池の排水が前提となる. 点検・補修時には, 一時的に下水上処理池の機能を停止せざるを得ず, 点検・補修作業の迅速性が要求される. このため, 点検時に損傷が発見されれば, 直ちに補修が実施される. また, 処理池コンクリート版の劣化状態に関する情報を獲得することは容易ではなく, 損傷タイプ別の補修工事量 (損傷面積に関する情報) のみが利用可能な場合が少なくない. 本研究では, このような特性を持つ下水処理施設の劣化過程を集計的マルコフ過程としてモデル化するとともに, 期待ライフサイクル費用を最小化する点検・補修間隔を求めるための最適点検・補修モデルを提案した. さらに, 現実の下水道処理施設を対象とした適用事例を通じて, 予防保全政策の有効性を例示した.

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