土木計画学研究・論文集
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産業間の相互依存性を考慮した自然災害による経済被害の整合的評価方法
中野 一慶多々納 裕一
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キーワード: 防災計画, 計画情報
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2008 年 25 巻 p. 255-266

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抄録

本研究では、中間財、および最終財を生産する2つの産業部門を有する経済成長モデルを構築し、産業間の相互依存性を考慮した自然災害による経済被害の整合的評価方法について理論的に検討を行った。その結果、災害がある場合とない場合の各産業部門のキャッシュフローの差額の現在価値を単純に足し合わせたものを企業部門で評価することで、帰着側である家計部門の被害と一致するため、発生側・帰着側のどちらで評価しても経済全体の被害額として整合的となることが明らかとなった。また、災害による1次的な被害額とカスケード効果が生じることによる被害の変化額を分離して推計する方法を構築し、カスケード効果が生じることによる被害の変化を分析した。

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