2008 年 25 巻 p. 451-462
都市内の貨物の集配送において、顧客の到着時刻指定の相違が、集配コストや環境に異なる影響をもたらす可能性がある。本論文では、到着時刻指定の種類のうち、ハードとセミソフトタイプの二種類の時間指定に注目し、双方が環境にもたらす影響の相違を考察した。分析に際しては、従来使用されてきた近似解法ではなく、時間枠付き配送計画問題の厳密解法を用いた。実際の道路網、および、そのリンク情報を用いたケーススタディの結果、到着時間指定がセミソフトのケースは、ハードのケースと比較して、配送費用を抑制できるだけでなく、環境負荷の抑制に効果的であることが示された。