2008 年 25 巻 p. 597-606
本論文では、バスレーンを活用した「自転車走行指導帯」(幅1.25mの着色帯) の設置による交通安全対策の効果と課題について述べる。道路交通法上、自転車は「車道の左側端」を走行しなければならないが、実態としては歩道走行や右側逆走など無秩序な走行が多くみられ、ルールと実態の乖離が近年の自転車関連の交通事故増加につながっていると考えられる。
本論文では、バスレーンを活用した「自転車走行位置の明確化」と「交通ルール及びマナーの指導強化」を実施することが、歩行者・自転車・バス・クルマのそれぞれにとって安全・安心な道路空間の創出に効果的であることを、対策前後の自転車走行実態調査やアンケート調査等から明らかにしている。