2008 年 25 巻 p. 77-84
本論文は公共交通のサービスレベルの認知にバイアスが存在するのか, また存在するとしたらどの程度かということを, 甲府都市圏パーソントリップ調査を用いて分析したものである. 具体的には駅・バス停へのアクセス距離と運賃を対象として分析を行つた. その結果, 駅・バス停へのアクセスはそれぞれ1.34倍と1.15倍に認識されていることが明らかとなった. その認知はゾーンの道路整備特性にも影響を受けていることも示された. また運賃については, 鉄道の運賃が比較的正確に認知される一方, バスの運賃は非常にばらついて認知されていることが明らかとなった.