2010 年 27 巻 p. 265-272
日本の中山間地域は、都市地域からの支援なくして持続不可能である一方、急激な人口減少および少子高齢化によってそれが困難である。地域の必要性・存在意義や維持発展のあり方を再検討し、新たな施策を実施することが必要となっている。このような中山間地域について、衰退過程および現状を捉える枠組みとして、地域が有するストックとそれに伴い発生するインフロー・アウトフローとの関係を表現する方法を提案する。再生を果たした中山間集落でフィールドワークを行い、ストック利用によるフローの変遷を把握することにより、限界集落であってもストックを活かすことで、持続可能な状態になり得ることを示している。