抄録
自転車共同利用システムの普及が進んでいるが、その計画手法、特に供給要素の計画手法は確立されていない。本論文では、第一に、パリとロンドンにおける自転車共同利用システムの導入検討手法をレビューし、需要の推計や供給要素の計画の特徴と課題を明らかにした。第二に、システムの供給要素の計画に際して、需要の時空間分布からシステムの利用可能性を評価することを提案し、その手法を示した。また、これを東京都心部に適用し、需要の時空間分布を考慮して供給要素を配分することや、駅を発着地とする需要を計画対象から除外することにより、利用可能性の時間的・空間的公平性の確保が期待されることを示した。