2010 年 27 巻 p. 91-97
住民避難誘導を目的とした標識のデザインが不適切な場合、それは時として人的被害の拡大にも繋がりかねない。このことから、避難誘導のための標識デザインは、その意図とするメッセージが対象者に確実に伝わるよう検討される必要がある。しかし、現行で考案されている避難に関する標識は、その意図が正確に伝わりにくいにとどまらず、むしろ逆の意として理解される可能性すら存在することが考察された。このような現状に対して、避難誘導効果の向上のための標識デザインの方針として重要となり得るポイントについて整理・検証を行った。