抄録
本研究は、世代間交流活動に参加している育児中の母親の語りから、母親の世代間交流への思いを明らかにすることを目的としている。2019年10月から2020年2月に、関東近郊で世代間交流に参加している母親に半構造化インタビューガイドを用いてデータ収集を行い、質的記述的方法を用いて分析し、101コード、25小テーマから9テーマが生成された。世代間交流に参加する母親の高齢者への変化する思いが明らかとなり、母親は世代間交流の中で、「母親として」「個として」支えられ、House(1981)の示す「情報的」「評価的」「情緒的」「手段的」4つのサポートを得ている可能性が示された。また、人々の中で子育てできる地域への願いが明らかとなった。地域の高齢者と継続的に関わることのできる世代間交流は、乳幼児を持つ母親を支える重要な活動であることが示唆された。