筆者らは, これまでに, 排水性舗装の空隙づまり程度の判定に対し, 電磁波干渉法がベクトルダイヤグラムの利用によって有効であることを明らかにした. しかし, 同一定義でも, 複数の異なる状態が考えられることで, ベクトルダイヤグラムの効用に懸念が生じた. シミュレーションによる検討の結果, 重大な違いは示さないものの, 判定に少し不確定性が生ずる場合のあることがわかった. また, 実用性を念頭に置いた試験測定を行った. 施工直後から数ヶ月までの舗装で, 経時変化が有意に捉えられることを示した. また, 施工1年後の舗装では, 健全からほぼ完全づまりまでの多様な状態が観測され, 1ヶ月程度の期間では, それぞれ空隙づまり状態に急激な変化がなく, 再現性は実用上十分にあることが示された.