2015 年 18 巻 Suppl 号 p. suppl_27-suppl_28
イヌが食物アレルギー疾患などのために手作り食を必要とする場合や、飼い主が手作り食を希望する場合がある。しかし、市販ドッグフードの品質基準であるAAFCO養分基準を満たすように手作り食を作成するのは難しい。本試験では、入手が容易な食材を用い、維持期用のAAFCO養分基準を満たし、なおかつ煩雑さが少なく獣医師が指導しやすい手作り食レシピの設計法を考案した。精肉類などのタンパク質源と白米などの糖質源を1:1としたものを基本食とした。次いで、基本食では不足する栄養素を補うため、補助食を設計した。さらに不足するビタミンとミネラル補給のためサプリメントを用いた。また、Ca源として鶏ガラの利用を試みた。入手が容易な食材を用いた手作り食では、サプリメントの使用が不可避であった。鶏ガラはCa源として有用であり、調理を工夫すれば危険なく利用できると考えられた。