2015 年 18 巻 Suppl 号 p. suppl_37-suppl_38
ペットにおいて一般的な疾患である歯周病は、進行すると口腔の痛みや機能障害を引き起こし、食物摂取や栄養管理において障害になる。しかし、犬の経時的な歯周病の進行と、歯周病原菌数との関連性は明らかになっていない。そこで、本研究では、全身麻酔下にて歯石除去処置を行い口腔内を清浄化した健常犬に対して、歯周溝深度測定、歯肉の外観的評価、また口腔内細菌数の測定を1ヶ月おきに6ヶ月間実施し、歯周病の進行とRT-PCR法を用いた歯周病原菌数の関連性を調べた。歯石付着スコアと細菌DNAコピー数の関連性を検討した結果、P. gulaeとT. forsythiaにおいて歯石付着スコアの上昇につれ有意な菌数の増加が認められた。以上より、リアルタイムPCR法による口腔内細菌の測定は、歯周病進行度の客観的マ ーカーとして用いることができると考えられた。