2017 年 20 巻 Suppl 号 p. suppl_37-suppl_38
涙やけの改善を目的に二つの実験を行った。実験1では、フードによって涙やけの状 態が変化するイヌを用い、過去にこのイヌの涙やけを改善させたフードAと悪化させたフードBを給餌して、涙やけの状態を観察した。その結果、Bの給餌では涙やけが悪化したが、Aの給餌では改善が認められた。実験2では、涙やけにアレルギーが関係しているとの仮説を立て、涙やけと血清総IgEの関係について検討した。無作為に選んだ33頭のイヌを用い、涙やけ有り群と無し群に分け血清総IgE濃度を比較した。その結果、両者の間に統計的な有意な差は認められなかった。この結果により、涙やけとアレルギーは関係ないことが示唆された。