ペット栄養学会誌
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イヌおよびネコの腸管内における酪酸生成菌,Butyrivibrio fibrisolvens の存在
浅沼 成人河戸 勝日野 常男
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2000 年 3 巻 Supplement 号 p. 12-13

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抄録

イヌ・ネコの腸管内の酪酸生成に着目し,種々の観点から重要な酪酸生成菌と考えられるButyrivibrio fibrisolvens の存在の有無および菌数について調べた。即ち,ペットフードを供試した成イヌおよび成ネコの糞中の菌数を競合PCRにより測定した。乳酸生成量に基づいて分類されているB.fibrisolvensの2つのグループのうち,乳酸生成の少ないグループの株は検出できなかった。しかし,乳酸生成の多いグループの菌株の標的DNAは糞中総DNAの5x10-4および3x10-4のレベルで検出された。加熱した糞サンプルにB.fibrisolvensをもともと存在していた菌数と等しくなるように添加して培養した場合の酪酸生成量は非加熱の糞サンプルを培養した場合の酪酸生成量の30%であった。従って,イヌ・ネコの腸管内における酪酸生成は,B.fibrisolvensよりもそれ以外の菌によるところが大きいと考えられる。

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