くすりと糖尿病
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原著論文
2型糖尿病における強化インスリン療法を導入する指標としてのCペプチドインデックス(CPI)の有用性
石田 陽美津田 雅大佐藤 弘康石王 麻里乃門野 冴美小笠原 綾香三本松 泰孝和泉 秀明田村 広志小森 均
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2017 年 6 巻 2 号 p. 175-178

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抄録

糖尿病診療ガイドラインでは2型糖尿病の合併症予防には厳格な血糖コントロールが必要であり,強化インスリン療法(BBT)を含めたインスリン治療を行うとされているが,具体的なBBT導入の基準は設定されていない.そのため2型糖尿病患者におけるBBT導入時に有効な指標や基準についてC peptide index(CPI)に着目し検討した.当院に入院した2型糖尿病患者のうち,退院6か月後のHbA1cが7.0%未満となっている患者を対象とし,対象患者は退院時の処方がBBTであった患者をBBT群,BBT以外であった患者を非BBT群とした.入院時に測定した空腹時血中Cペプチド,空腹時血糖を用いてCPIを計算し,CPIの値を0.1ずつ刻みそれぞれの点におけるBBT群を陽性として,感度と特異度を算出しROC曲線を作成した.ROC曲線から読み取ったカットオフ値は,CPI 1.1(感度63.9%,特異度93.3%)であった.本研究では,合併症予防のための目標値であるHbA1c 7.0%未満を設定して強化インスリン療法を導入する指標について検討し,CPI 1.1未満の2型糖尿病患者では強化インスリン療法の必要度が高いことが示唆された.

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© 2017 一般社団法人日本くすりと糖尿病学会
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