2018 年 43 巻 3 号 p. 173-179
ストリゴラクトン(SL)はセスキテルペン型ラクトンで,シュート分枝,側根形成および根毛伸長などの植物の成長および分化を調節する植物ホルモンである.近年,SLは葉の老化を促進することが報告されているが,それは糖シグナルによっても制御される.本研究では,竹葉の切片を用いて葉の老化を観察し,明条件ではなく,むしろ暗条件で,SLが葉の老化を促進するとともに細胞死を引き起こすことを確認した.さらに,糖を同時に処理すると,暗所でのSL誘導性の葉の老化や細胞死が抑制されることがわかった.このことから,葉の老化を制御するSLと糖シグナル間クロストークの存在が示唆された.