2018 年 43 巻 4 号 p. 225-232
インドの家畜頭数は莫大で,ほとんどの家畜所有者(99%)は伝統的な畜産方法に従い,農薬を使用していない牧草地で家畜,特に小型の反芻動物の飼育を行っている.飼料作物の栽培のため,いくつかの農薬がインドで使用されているが,その使用に関しては穀物やその他の関連農作物の知識に基づいているだけで,飼料作物に対する農薬使用についての認証データはない.カナダ,イギリス,イスラエル,およびその他のヨーロッパ諸国では飼料作物用に農薬登録が行われている.インドでは栽培可能な穀物,園芸作物,換金作物などに農薬が登録されているが,飼料作物に対する農薬の登録制度やガイドラインはない.したがって,それらの設定に必要な措置を講じる必要がある.この総説では,インドの飼料作物における農薬の使用とその現状について述べる.(文責:編集事務局)