11 巻 (1986) 2 号 p. 245-251
土壌から単離した4種のモリネート分解菌, Mycobacterium sp. (B-1), Flavobacterium sp. (B-2), Streptomyces sp. (A-1) および Fusarium sp.(F-1) によるモリネート代謝経路を14C-モリネートを用いて明らかにした. モリネートの代謝経路は菌種によって異なり, 細菌B-1およびB-2はS-ハイドロキシエチル体およびS-カルボキシメチル体を培地中に蓄積し, S-エチル基末端炭素の酸化が主要代謝経路であると推定した. これらの菌はアゼピン環-OH体およびoxo体も少量産生した. 放線菌A-1はアゼピン環-4-OH体および4-oxo体を生じ, アゼピン環4位の炭素の酸化が主要代謝経路であると推定した. この菌はアゼピン環-2-oxo体, スルホキシド体およびヘキサメチレンイミンも少量産生した. 糸状菌F-1はアゼピン環-3-OH体, 3-oxo体, 4-OH体および4-oxo体を生じ, アゼピン環3位および4位の酸化が主要代謝経路であると推定した. A-1およびF-1では上記中間代謝産物はさらに代謝され, 細胞構成物になり, またはCO2を生じた.