11 巻 (1986) 4 号 p. 563-572
土壌から分離した3種のモリネート分解菌, Mycobacterium sp. (B-1), Flavobacterium sp. (B-2) および, Streptomyces sp. (A-1) について, 基質特異性と, モリネートおよびその類縁体によるこれら化合物の分解活性の誘導現象について研究した. B-1菌とA-1菌が幅広い範囲のモリネート類縁体を分解したのに対し, B-2菌が分解した化合物の範囲は狭かった. これらの菌では分解活性の出現は分解酵素の誘導によると考えられ, 化合物と分解酵素の関係について, 菌と化合物の組合せにより次の二つのケース, 1) モリネートと類縁体が同一か, またはきわめて似かよった挙動をとる複数の酵素系により, それぞれ分解される場合と, 2) モリネートと類縁体は独立した挙動をとる異なる二つの酵素系により分解される場合があると推定された. 1) の場合, モリネートと類縁体が上記分解酵素に対しほとんど同じ誘導活性をもつ場合ときわめて異なる場合があった.