12 巻 (1987) 1 号 p. 11-16
土壌中の脱塩素菌をMPN法で計数する方法を確立し, この方法を用いて数種条件下の土壌中の脱塩素菌の消長を調べた. 脱塩素活性の強い土壌にベンチオカーブを添加して30℃で保温静置すると, 脱塩素菌は15日のラグタイムののち急速に増加した. 土壌に澱粉を添加すると増殖はさらに顕著であった. 保温44日後に菌数は最初の30倍に達し, ベンチオカーブの反覆添加により100倍以上に増加した. ベンチオカーブ無添加の土壌を保温静置すると, 脱塩素菌数は急速に減少した. 脱塩素活性のない土壌にベンチオカーブを添加して保温しても, 脱塩素菌はつねに検出されなかった. メトキシフェノンまたはBNA-80を土壌に添加すると, とくにBNA-80はきわめて低濃度でも, 脱塩素菌の増殖を長期間阻害した. この作用は静菌作用によるもので, 殺菌作用は認められなかった. 脱塩素菌の菌数は土壌の脱塩素活性とつねによく対応した.