1988 年 13 巻 2 号 p. 261-268
ピラゾレートの加水分解産物で除草活性の本体であるDTP[4-(2,4-ジクロロベンゾイル)-1,3-ジメチル-5-ヒドロキシピラゾール]の土壌による吸着・脱着について検討した. DTPの吸着等温線は経験的なフロイントリッヒの式に適合した. DTPの吸着分配定数 (Kd) は土壌間で大きく異なったが, 土壌のDTP吸着容量は総じて大であった. 土壌に吸着されたDTPの大部分は少量ずつ, しかし着実に水に脱着された. ピラゾレート10%粒剤を散布した水田において, ピラゾレートおよびDTPは土壌表層で処理層を形成し, リーチングによってほとんど移動せず, 生分解によって徐々に消失した.