Journal of Pesticide Science
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土壌から単離した除草剤ベンチオカーブ分解菌のプラスミド
その土壌中における農薬分解菌の集積機構への役割
三輪 教子武田 穣鍬塚 昭三
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1988 年 13 巻 2 号 p. 291-293

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抄録

除草剤ベンチオカーブ (S-(p-chlorophenyl) N,N-diethylthiocarbamate) の分解菌を土壌から単離し, その分解能保持菌 (BN+菌) および分解能消失菌 (BN-菌) からプラスミドを抽出して比較することにより, ベンチオカーブ分解能へのプラスミドの寄与を検討した. BN+菌, BN-菌のいずれにもプラスミドが検出され, 分子量はそれぞれ約73.3メガダルトンおよび約68.2メガダルトンと大きく, その自己伝達能の可能性を示唆した. 制限酵素BglIIあるいは研HindIIIで処理した両プラスミドの電気泳動像はきわめて類似していたが, HindIIIで切断した場合, 少なくとも1本のDNA断片は, BN+菌のプラスミドにのみ認められ, その分子量は約5.1メガダルトンであった. サザンハイブリダイゼーションによっても, このDNA断片が検出された. 以上の結果から, ベンチオカーブ分解能に関する遺伝的な情報はプラスミドに担われており, このプラスミドからDNA断片が欠損することにより分解能が消失するものと推察した. 分解能にプラスミドが関与している農薬分解菌が農薬を含む土壌中で蓄積する一機構を提案した.

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© 日本農薬学会
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