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Journal of Pesticide Science
Vol. 13 (1988) No. 3 P 429-435

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http://doi.org/10.1584/jpestics.13.429


腐植酸水溶液の光照射によって生成する活性酸素をESR (電子スピン共鳴) により検討した. スピントラップ剤DMPO (5,5-dimethyl-1-pyrroline-N-oxide) 存在下, 腐植酸水溶液に光照射するとOHラジカルとDMPOとのスピンアダクト (DMPO-OH) のESRスペクトルを検出した. DMPO-OHの生成量はスーパーオキシドジスムターゼやOHラジカルスカベンジャー存在下および嫌気条件下で抑制されたことより, スーパーオキシドアニオンラジカルおよびOHラジカルの生成が明らかとなった. さらに, 2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidinol 存在下の光照射では対応するニトロキシドラジカルが検出された. その生成量は重水中で増大するのに対して, アジ化ナトリウムやDABCO (1,4-diazabicyclo[2.2.2]octane) 存在下で抑制されたことより, 一重項酸素分子の生成が推察された. また, 光照射した腐植酸水溶液はペルオキシダーゼ存在下で leuco crystal violet を酸化することから, 過酸化水素の生成も示唆された. これらの活性酸素は自然環境下における農薬の光分解にきわめて重要な役割を果たすものと考えられる.

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