フェニトロチオンマイクロカプセルの防虫合板への適用性をフェニトロチオン乳剤と比較して検討した. マイクロカプセル化されたフェニトロチオンの4種の合板用接着剤中での安定性は, いずれも乳剤化された場合のそれを上回った. とくにアルカリフェノール型樹脂のような強アルカリ性の接着剤中において, その安定化効果は顕著であった. それに伴い, マイクロカプセルを用いた防虫合板のヒラタキクイムシに対する効果は, 乳剤を用いた場合よりも優れたものとなった. フェニトロチオンマイクロカプセルは, 乳剤と比較して, 乳剤よりも低薬量で, 使用接着剤の種類に無関係に安定した効果を示す優れた製剤であることが確認された.