Altosid 10F [methoprene (isopropyl 11-methoxy-3,7,11-trimethyl dodeca-2,4-dienoate) 10%を活性炭に含有させた徐放製剤] を流れのある排水路中に投入した場合の methoprene の残留濃度を測定し, その効力発現機構について考察した. 試験は, ユスリカが生息している水路 (w, 1.4m; d, 0.2m; 流速, 15.2cm/sec) で行なった. 薬剤濃度は, 1ppm (1時間流量当たりのAI), である. 薬剤処理後, 10, 50, 150, 500m下流地点で水路の底から採取した砂泥約210g (表面積109.3cm2) 中の methoprene 残留量は, 1日目には, それぞれ, 27.5, 9.4, 1.0, 0.3μg/cm2で, 7日目と14日目に採取した試料でも, ほぼ同様な結果が得られたが. その後日数の経過に伴って減少し50m下流でも1.5μg/cm2以下になり, 21日目では0.1μg/cm2であった. 水路底から採取した砂泥や汚泥とA10Fを混合すると, A10Fはこれらに付着することが明らかになった. 水路から藻類などの付着した布切れを採取しA10Fの懸濁液に浸漬して活性炭を付着させ, 水洗後アカイエカ4齢幼虫の飼育容器中に入れると, 幼虫は布切れに付着している有機物などとともに活性炭を摂食し, その結果得られた蛹に強い羽化阻害効果が現われることが確認された. したがって, A10Fは, 流水中に投入された場合でも, その活性炭が水路中の有機物などに付着すれば, 長期間にわたり効果が持続するものと考えられる.