19 巻 (1994) 3 号 p. 221-223
昆虫の中枢神経系は神経被膜によって血リンパからの物質の侵入が調節されていることが知られている. われわれは先にフェンバレレート立体異性体間で神経組織への透過量に違いがあることを報告した. そこで二対のフェンバレレートの diastereomer の混合物である, (R,S)-Sおよび (R,S)-Rに対してチャバネゴキブリ神経被膜が薬剤の透過量を減少させるかどうか検討した. 神経被膜を除去した腹部神経索への薬剤の透過量には正常神経と有意差は見られず, 神経被膜がフェンバレレートの透過を妨げることはないと考えられた. また立体異性体間で見られた正常神経での透過性の違いは, 神経被膜の透過性の違いによるものではないことが示された.