20 巻 (1995) 3 号 p. 257-264
クロレラ, タバコ葉肉細胞およびイネ胚細胞を70μMのブタクロルで処理して4時間培養すると脂質の生合成が約50%阻害されることが判明した. タバコ葉肉細胞ではブタクロル処理区では取り込まれていないアセテート蓄積量が非処理区に比べて30%増加したが, クロレラとイネ胚細胞にはこのような差が認められなかった. 同様にブタクロルは70μMでタンパク質の生合成を阻害し, クロレラ, タバコ葉肉細胞およびイネ胚細胞の30分間処理による阻害度はそれぞれ79, 59および38%であり, 8時間処理の場合には92, 95および85%の阻害を示した. また, これら3種の細胞では70μMブタクロル処理後に14C-ロイシンの蓄積量がそれぞれの非処理区よりも69, 62および39%の増加を示した. しかし, この場合の14C-ロイシン取込み率は非処理区の52, 37および51%に低下した. さらにブタクロルは70μMでRNA合成を阻害したが, 低濃度では若干の促進効果が認められた.