InPest の開発に当たりまず, 粒子動態や蒸発定理, 流体力学を用い化合物および製剤の挙動を詳細に解明した. 次いで内装材の性質や温湿度変化など室内環境要因を物理化学式で表現し, 区画の体積や化合物保有能の経時的な変化に対応できるよう Fugacity モデルを発展させた. さらに, 挙動予測値から散布者や居住者の暴露量を推定する手法を確立した. このようにして得た InPest は殺虫剤の分子量, 蒸気圧, 水溶解度, オクタノール/水分配係数と無影響量を入力することで, 殺虫剤の種類 (有機リン系・ピレスロイド系), 散布方法 (空間噴霧, 液体蚊取り, 床全域噴霧, 直撃噴霧, 残留噴霧), 製品の剤型 (オイルベース・水ベース), 床材質 (フローリング・カーペット・畳), 換気率, 温度および湿度のいずれが変化しても, 諸条件下で散布者および居住者のリスクアセスメントができる汎用性のあるモデルとなった. なお, 当該室内挙動予測手法は, 化学物質の同様な挙動予測への適用が可能である.