Journal of Pesticide Science
Online ISSN : 1349-0923
Print ISSN : 1348-589X
ISSN-L : 0385-1559
フェニルプロパノイドならびにネオリグナンの配糖体
マツ内樹皮に含まれるマツノマダラカミキリ産卵刺激物質
佐藤 正資Syed Q. ISLAM山崎 徹
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 24 巻 4 号 p. 397-400

詳細
抄録
アカマツ内樹皮の含水アセトン抽出物からエーテル可溶部を除き, 残渣のエタノール可溶部を Sephadex LH-20カラムで画分I, II及びIIIに分画した. 画分IIとIIIに含まれるマツノマダラカミキリ産卵刺激物質は既に同定されているので, 画分Iを Amberlite CG-50カラムで画分I-1, I-2, I-3及びI-4に分画し, 画分I-2から産卵刺激物質として, フェニルプロパノイド配糖体 dihydroconiferyl alcohol-9-O-β-D-glucopyranoside (1) と4種類のネオリグナン配糖体, 即ち, cedrusin-4′-O-β-D-glucopyranoside (2), cedrusin-4′-O-α-L-rhamnopyranoside (3), 7-O-methyl cedrusin-4′-O-α-L-rhamnopyranoside (4) 及び1-(4′-hydroxy-3′-methoxyphenyl)-2-[4″-(3-hydroxypropyl)-2″-hydroxyphenoxy]-1, 3-propanediol-4′-O-β-D-xylopyranoside (5) を単離・同定した. 画分I-1と画分IIIの存在下に2種以上の配糖体の混合物は産卵を刺激したが, 両画分が存在しても個々の配糖体は産卵を刺激しなかった.
著者関連情報
© 日本農薬学会
前の記事 次の記事
feedback
Top