4 巻 (1979) 3 号 p. 323-335
殺線虫剤 dichlorodiisopropyl ether (DCIP) の慢性毒性試験をICR系SPFマウスを用いて行なった. 薬物濃度0, 80, 400, 2,000および10,000ppmの5段階の飼料を雌雄各56匹の動物に104週間投与した. 13, 26および52週目におのおの7匹ずつ, 78週目におのおの6匹ずつ, そして104週目に生存動物全例を殺し検査した.
10,000ppm群では飼料摂取量の顕著な低下があり, 体重の著しい増加抑制もそれに対応して認められた. その他, 13, 26および52週目の雌雄に軽度り貧血が認められ, 病理組織学的に脾のヘモジデリン沈着および髄外造血亢進を認めた. 2,000ppm群では雌にのみ体重の軽度な増加抑制傾向が認められ, 同時にごく軽度な貧血傾向も認められた. 雄の2,000ppm群以下および雌の400ppm群以下では薬物に関連した変化は認められなかった. 加齢に伴う腫瘍および非腫瘍性疾患の発生頻度においては, 対照群にくらべて投与群に有意の増加を示したものは認めなかった.