4 巻 (1979) 4 号 p. 481-485
幼若ホルモン類似体 methoprene のハエに対する羽化阻止効果, 殺卵効果, 成虫または幼虫のJH処理が生殖能力に及ぼす影響について検討し, 次のような結果を得た.
1. 種々の発育段階にある8種類のハエ幼虫に対し, 微量滴下法により methoprene 処理を行なった. ハエの羽化阻止効果は, 成熟のすすんだ終齢幼虫に処理した時ほど大きくあらわれた. これらのハエのなかで, イエバエは最も感受性が高かった.
2. イエバエの卵を methoprene 溶液に浸漬した時の殺卵効果を観察した. 産卵1時間後に処理したとき, 胚の発育を阻止する効果がみられた. 孵化阻止のためのIC50はおよそ2.3%の濃度であった.
3. 羽化2日後に, センチニクバエの雌に対し, 49μgの methoprene 処理を行なうと, その産仔数は無処理の雌のそれにくらべて半減した. しかし5日以上経過した雌に処理した場合は, 不妊効果は現われなかった.
4. センチニクバエの終齢後期の幼虫に methoprene 処理を行なうと, それから羽化した成虫の不妊効果は顕著にあらわれた.