7 巻 (1982) 4 号 p. 499-506
湿式粉砕法で調製した binapacryl 懸濁剤の物理的安定性を, 主剤の粒度, 製剤の粘度, 沈降容積比および再分散性の変化を指標にして検討した.
懸濁剤中の binapacryl は, 化学的に安定であったが, 30℃以上で顕著な粒子成長を示した. そのため製剤の物性も30℃以上で急速に変化し, 再分散の困難な強固な沈殿層 (hard-caking) を生成した.
binapacryl には粒子成長の前後で多形は認められず, 粒子の成長過程を走査電子顕微鏡で観察した結果から, 粒子同士の結合によるいわゆる凝集成長が考えられ, この結合が生ずる原因としては焼結現象が推定された.
懸濁剤中に水不溶性樹脂の微粉砕物を少量添加することで, binapacryl の粒子成長が明らかに抑制され, 物理的にもかなり安定化された懸濁剤をえた.