日本公衆衛生雑誌
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短期減量指導プログラム実施後の体重変化と生活習慣要因の関連
光橋 悦子李 廷秀川久保 清
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2003 年 50 巻 2 号 p. 136-145

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抄録

目的 地域住民を対象に行われた短期減量指導プログラム修了後の減量の継続性と,これに関連する生活習慣要因について検討することを目的とした。
方法 対象は平成 4 年から11年までの過去 8 年間に,都内の運動型健康増進センターで行われた12週間の減量プログラムを修了した243人とした。この減量プログラムでは個別の栄養・運動指導を含め,毎週 1 回集団指導および有酸素運動を行っている。対象者に平成11年11月,郵送調査を行った。調査票には調査時点での体重,1 日の平均歩数,食習慣などの項目を設定した。
結果 調査票の回収者数は128人(回収率54.0%),回答者の平均年齢は51.6±9.6歳であり,減量プログラム修了後平均 4 年経過していた。調査時の体重について回答した126人で分析すると,プログラム参加前の平均 BMI は26.7±2.6 kg/m2,プログラム修了時では25.5±2.6 kg/m2 であった。調査時での平均 BMI は25.8±2.9 kg/m2 であり,減量プログラム修了時より有意に高かったが,参加前より有意に低かった(いずれも P<0.01)。
 減量プログラム修了後 BMI が 1 以上増加していた者は54人(42.9%)であった(リバウンド群)。また BMI が 1 以上減少していた者は24人(19.0%),減量プログラム修了後 BMI24未満を保持していた者は28人(22.2%)であった(解消群)。その他20人(15.9%)は,プログラム修了後,BMI に有意な変化はみられなかったが,BMI≧24であった(平均27.4±2.8 kg/m2)。
 調査時点での 1 日の平均歩数は効果維持群よりリバウンド群で有意に少なかった。食生活に注意する者の割合は,リバウンド群より効果維持群で高かった。
結論 短期減量指導プログラム修了後,平均 4 年経過した時点で体重が再び増加していた者の割合は42.9%であった。より高い身体活動量および適切な食生活を維持することが,肥満女性での減量効果を維持するために重要といえる。

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© 2003 日本公衆衛生学会
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