日本公衆衛生雑誌
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原著
小学校1年生と6年生およびその母親の健康状態,体型,生活・食生活状況との関連
佐久間 章子前大道 教子小田 光子岸田 典子
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2004 年 51 巻 7 号 p. 483-495

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抄録

目的 健康状態,体型,生活・食生活状況を学童の学年・性別,母親の年齢・就業・家族形態別に捉え,母子の関連を検討し,それぞれへの有効な健康教育の指標を明らかにする。
方法 小学校の 1 年生(6~7 歳)と 6 年生(11~12歳)の保護者2,162人を対象に調査を行い,母子の関連の解析対象は回答者が母親だった1,993組とした。子どもの学年・性別,母親の年齢・就業・家族形態別にそれらの状況を比較した。また,子どもの健康状態と母子の生活・食生活状況,母親の健康状態との関連について多重ロジスティック回帰分析を行った。
結果 1. 体型では,6 年生女子および母親にはやせの者の割合が高かったが,子どもの健康状態との関連は認められなかった。子どもの健康状態の主訴には学年・性別で差があり,6 年生女子に頭痛・腹痛がよくおこるなどの特徴がみられた。
 2. 母親が40歳未満で有職・核家族の子どもに朝食を欠食する,母親が40歳以上では就業の有無にかかわらず三世代の子どもに健康状態が不調,テレビ時間が 3 時間以上の者の割合が高かった。
 3. 多重ロジスティック回帰分析により,子どもの健康状態不調と関連が認められたのは子どもでは生活リズムが不規則,好き嫌いがある,食事中楽しい会話をしない,食事時間を楽しまない,噛まない,朝食欠食する,また,母親では母親の健康状態不調,睡眠が不十分,食品の組み合わせを考えない,食事時間を楽しまないであった。
結論 子どもの健康づくりには,母子の属性よりも子どもの規則正しい生活リズム,母親の健康が重要な関連を持つことを明らかにした。

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© 2004 日本公衆衛生学会
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