日本公衆衛生雑誌
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原著
女子大学生の食生活状況および体型・体重調節志向と疲労自覚症状との関連
尾峪 麻衣高山 智子吉良 尚平
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2005 年 52 巻 5 号 p. 387-398

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抄録

目的 女子大学生の食生活状況および体型・体重調節志向の実態を把握し,それらと疲労自覚症状との関連を検討すること,また若者自身の食生活の見直しや指導のあり方について考察すること。
方法 O 市某大学の女子大学生286人を対象として,食生活状況および体型・体重調節志向と疲労自覚症状についての自記式調査を実施し,18~25歳の有効回答275人について分析を行った。
結果 1. 食生活状況の実態では,栄養バランスやカロリーを「考えている」者は過半数を超えていたが,一方で「1 日 2 食以上は単品である」者は約 3 割,朝食で欠食を「時々,いつもする」者は約半数存在した。また緑黄色野菜や淡色野菜を「ほとんど摂らない」者,インスタント食品類,菓子,ジュース類を「ほとんど毎日摂る」者はそれぞれ過半数を超えていた。
 2. 食生活状況と疲労自覚症状との関連では,食事の時間が不規則,単品のみの食事や間食の頻度が多い,朝食を欠食する,また緑黄色野菜,淡色野菜,果物をほとんどとらない,インスタント食品類,菓子の摂取頻度が多い者において疲労自覚症状が有意に高くなっていた。
 3. 体型・体重の調節志向の実態では,体型の自己評価では,「やや太り気味・太りすぎ」と評価する者,体重調節志向では「痩せたい」とする者がそれぞれ60.2%,79.5%であった。理想体重は平均47.2(±4.1)kg,理想 BMI は18.7(±1.2)で,理想体重は実際の体重は比べ 4 kg ほど低くなっていた。
 4. 体型・体重の調節志向と疲労自覚症状との関連では,自己の体型を「やや太り気味・太りすぎ」と評価している者,また,理想 BMI が小さく,現実の BMI との差が大きいほど疲労自覚症状は有意に高くなっていた。
結論 客観的にみて肥満でない者の多くが痩せることを望んでいることが示された。一つ一つの食生活ではなく,疲労自覚症状と関連のみられた一連の食生活となりやすい生活の仕方それ自体が,疲労自覚症状を引き起こしていることが示唆された。食生活だけでなく,欠食をしないような生活を送るための働きかけ,客観的な評価に見合った真の意味での体型の自己評価ができるような働きかけが必要である。

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© 2005 日本公衆衛生学会
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