日本公衆衛生雑誌
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地域看護学実習終了時における学生の地域保健活動への関心度とその関連要因
富田 早苗横山 美江
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2008 年 55 巻 2 号 p. 101-106

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抄録

目的 本研究では,地域看護学実習終了時における学生の地域保健活動への関心の程度(関心度)とその関連要因を明らかにし,より効果的な実習を行うための基礎的資料とすることを目的とした。
方法 対象者は,A 県内の看護系大学で,平成17年 4 月~7 月に地域看護学実習を実施した 2 校に在籍する133人の 4 回生(年生)である。地域看護学実習終了時に調査を実施し,郵送にて回収した。調査内容は,学生の基本情報と地域保健活動への関心度,実習施設や実習経験,現場保健師の実習指導と教員との連携等である。学生の地域保健活動に関する関心度については,意味的微分法(SD 法)を用いて測定し,得点化(関心度得点)した。統計学的分析方法については,質的変数の独立性の検定には χ2 検定を,地域保健活動に関する関心度得点における 2 群間の比較には Mann-WhitneyU 検定を,多群間の比較には Kruskal-Wallis 検定を用いた。
結果 編入生を除く有効回答者は78人(有効回答率58.6%)であった。入学前に希望していた職種は保健師15.4%,助産師7.7%,看護師64.1%,わからない12.8%であった。本調査結果から,講義・演習をとおして保健師に興味をもった学生,ならびに実習をとおして保健師に興味をもった学生は,実習終了時の地域保健活動への関心度得点が有意に高かった。また,現場保健師の実習指導では,学生の気づきを大切にした指導,具体的でわかりやすい説明,学生が困っているときの声かけ,および現場保健師による学生への過度な期待がなかった場合に地域保健活動への関心度得点が有意に高かった。
結論 本研究結果より,大学の講義・演習あるいは実習経験により保健師に興味をもった学生は地域保健活動への関心度得点が高く,さらに,現場保健師による 4 つの実習指導手法が学生の地域保健活動への関心度を高めることが明らかとなった。今後,学生の地域保健活動への関心を高めるような講義・演習内容の検討,ならびに実習指導の充実が望まれる。

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© 2008 日本公衆衛生学会
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