2007 年 50 巻 1 号 p. 61-64
シリカ修飾アルミナ担持白金(Pt/SiO2-Al2O3)のチオフェンの水素化脱硫(HDS)活性および特性について検討した。アルミナ担持白金(Pt/Al2O3)のHDS活性はシリカ修飾を施すことによって向上するが,Pt/SiO2-Al2O3のHDS活性に対する最適シリカ添加量は確認されなかった。Pt/SiO2-Al2O3における白金の分散度は水素吸着法によって測定した。その結果,白金の分散度はアルミナにシリカ修飾を施すことによって向上し,白金の分散度に対するシリカの最適添加量は10から40 wt%であることを明らかにした。SiO2-Al2O3の酸性質は2-プロパノールの脱水反応(200℃)およびクメンの分解反応(400℃)より評価した。これより,SiO2-Al2O3の酸性質に対する最適シリカ添加量は90 wt%であることを明らかにした。さらに,吸着ピリジンFT-IRスペクトルよりSiO2-Al2O3にはBrönsted酸点が存在することを確認した。以上の結果から,Pt/Al2O3触媒のHDS活性がシリカ修飾により向上したのは,Ptの分散度および担体のBrönsted酸性が高められたためであると結論した。