Journal of the Japan Petroleum Institute
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COを還元剤とするNO選択還元用バリウム添加イリジウム触媒の実ディーゼル排出ガスNOx除去性能
佐々木 基三田 拓朗辻村 拓難波 哲哉小渕 存羽田 政明浜田 秀昭
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2008 年 51 巻 6 号 p. 356-360

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抄録

前報ではCOを還元剤とするNO選択還元触媒反応において,小型ハニカム触媒を用いた検討を行い,バリウムを添加したイリジウム系触媒(Ba/Ir/WO3-SiO2)が高い活性と耐久性を兼ね備えることを報告した。本研究では,この触媒を実スケールに近い大きさに調製し,実際のディーゼルエンジン排ガスに対する浄化性能を評価した。あわせて,本触媒とアンモニア選択還元触媒を組み合わせた触媒システムの検討も行った。
排気再循環(EGR)のほとんどかかっていないエンジン排ガスにCOを添加して,Ba/Ir/WO3-SiO2触媒のNOx選択還元性能を測定すると,280℃付近で活性を示し,SVが低い領域では酸素濃度が高いにもかかわらず45%以上のNOx転化率を示した。
次に,アンモニア選択還元触媒として銅ベータゼオライト触媒を前段に,後段にBa/Ir/WO3-SiO2触媒を配置し,アンモニアを添加してNOx除去性能を測定すると,EGRのほとんどかかっていないエンジン排ガスでは51%程度のNOxが還元され,そこにCOを添加すると260℃以上で除去率の向上が見られた。
本触媒システムの実用化には,高SVにおける活性の向上とすすによる触媒被毒への対応が開発のポイントとなることが分かった。

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© 2008 公益社団法人石油学会
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