Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文
長期供用劣化がアスファルトの粘弾性状に及ぼす影響
平戸 利明 姫野 賢治村山 雅人高橋 茂樹
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2016 年 59 巻 3 号 p. 97-103

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抄録

本研究では,アスファルトの粘弾性状に着目し,長期供用したアスファルト舗装からアスファルトを採取し,粘弾性状の変化について評価した。アスファルトは,供用に伴い紫外線や雨水などの環境劣化あるいは交通車両による繰返し荷重からの疲労により粘弾性状が変化している可能性がある。アスファルトの粘弾性状に基づく劣化指標を見出すことを目的として,交通荷重や環境負荷により劣化したアスファルトの粘弾性状とアスファルト舗装の破損の関係を整理したところ,両者の間に高い相関があることが示された。また,アスファルトの粘弾性状としてノモグラフから得られるスティフネスとダイナミックシアレオメーター(DSR)試験から得られる各種パラメーターを用いて評価した結果,ノモグラフから得られるスティフネスとDSR試験より得られる複素弾性率には,載荷時間や測定温度に関わらず,非常に高い相関があることが示された。さらに,DSR試験より得られる複素弾性率と損失弾性率の関係は,バインダーの種類,載荷時間,測定温度あるいは現道から採取したアスファルトと促進劣化させたアスファルトに関わらず,非常に高い相関が得られることが分かった。

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© 2016 公益社団法人石油学会
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