Journal of the Japan Petroleum Institute
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総合論文
エタノールからの選択的な1,3-ブタジエン生成におけるMgOの触媒作用とタルク触媒でのZn2+の役割
宮地 輝光日座 操関口 泰正秋山 草多志賀 昭信馬場 俊秀
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2018 年 61 巻 3 号 p. 171-181

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抄録

現在,1,3-ブタジエンの大部分はナフサからエチレンを製造する過程で生産される。今後の需要増大を見込み,石油資源以外の原料から1,3-ブタジエンを効率よく製造する必要がある。その一つとして,バイオマスから製造されるエタノールを原料とした1,3-ブタジエン合成がある。この反応は約100年前に見出され,これまで主に複合化した金属酸化物が用いられてきた。本論文では,エタノールからの1,3-ブタジエン合成について,MgO単体を触媒に用いた反応,およびこれまで触媒として使用されていないZn含有タルク(Zn-Talc)による触媒反応に関する最近の研究を概観する。特に,MgOの触媒作用,およびZn-Talc触媒中のZn2+が,選択的な1,3-ブタジエン生成に果たす役割に焦点をあてる。MgO上におけるエタノールから1,3-ブタジエン生成の反応機構,およびZn-Talc触媒によるエタノール転化反応に及ぼすZn2+の影響について議論する。

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© 2018 公益社団法人石油学会
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