2004 年 49 巻 4 号 p. 246-251
クリエイティブ・コモンズとは, 「自由に共有できるコンテンツ」の共有地(コモンズ)を創出することを目指した活動である。その背景には近年, 著作権をめぐって著作者と利用者の間で権利のバランスが崩れつつあるということがある。クリエイティブ・コモンズがいう「自由に共有できる」ことのもっとも大きな意味は,コンテンツの流通を堰き止めることができないというところにある。クリエイティブ・コモンズは, アクセスを遮断しないことを前提にした権利保護や, 権利利用のための著作権の新しい運用方式であり, その活動の成果はこれまでの公共図書館のあり方にも一石を投じることになるだろう。