2007 年 52 巻 2 号 p. 140-145
PubChemはSubstance, Compound, BioAssayの3データベースから成り立っており, 公開以来収録ソース数・収載化合物数の増加が著しい。日本製薬情報協議会関西支部ではPubChemの有用性について, 毒性, 新規性, 薬理作用, 活性情報の各方面より検証した。毒性面からの検証の結果PubChem独自の毒性情報は掲載されていなかったため, さらなる検証は行わなかった。化合物の新規性調査によく利用されるCAS® Registryファイルに未収載の化合物がPubChemに収録されていることが見いだされたが, そのうちの多くは化合物収録のタイムラグが原因でPubChemのみに収録されているものであった。新規性調査にはRegistryと併せてPubChemを利用したほうがよいと思われた。