植物学雑誌
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柿ノ脱澁ニ就テ (豫報)
徳川 義親
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1919 年 33 巻 387 号 p. 41a-44

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抄録

一 柿果中ニ於ケル「タンニン」ハ「タンニン」細胞ト稱スル巨細胞中ニ「ジエリー」樣物質トシテ存在シ生理上重要ナル作用アルモノヽ如シ。
一 柿果ノ澁味ハ「タンニン」細胞ノ破碎サルヽカ又ハ唾液ヨリ水分ヲ吸收シテ破裂シ細胞内容ノ流出スル爲ナリ。
一 脱澁ハ「タンニン」ノ消滅或ハ酸化ニアラズシテ「タンニン」細胞ノ内容次第ニ硬化不溶解性トナル爲ナリ。
一 通俗ニ「胡麻」ト稱スルモノハ「タンニン」細胞ノ紅褐色ニ變ゼルモノニシテ單ニ酸化ニノミヨリテ變化セルモノニハアラズ、脱澁ノ表徴トナルモ原因ナラズ。
一 甘柿ト澁柿ノ區別ハ分類學上ノソレニアラズシテ各變種ノ特性ニ從ヒテ「タンニン」細胞ノ硬化ノ難易ニアリ。
一 種子ノ存在ハ或變種ニテハ脱澁スル爲ニ刺激ヲ與ヘ促進スル效アルモ脱澁ノ必要條件ニハアラズ。
一 柿ノ「タンニン」ハ「フオルマリン」、鹽酸、硫酸等ニヨリテ「ジエリー」樣ニ凝固ス。

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