植物学雑誌
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あさがほノ花色ノ遺傳研究第五報
C. R因子ト共ニ花色ノ發達ニ關與スル基本因子Ca
萩原 時雄
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1930 年 44 巻 527 号 p. 580-591

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抄録

1. 種子、白色ナル白色花ト他ノ三種ノ種子、黒色ノ白色花トノ間ノ交配ニヨル遺傳實験ニヨツテ、あさがほ (Pharbitio Nil) ノ花色ノ發達ニ關與スル基本因子ガ、C, Rノ外、Caノ三個アルコトヲ明ニナスコトガ出來タ。
2.CaCrナル構造ノ白色花ハ莖緑色、花筒有色デCacRナル構造ノ白色花ハ莖、有色、花筒淡黄色デ、Cacrナル構造ノ白色花ハ、莖緑色、花筒、淡黄色デ、種子ハ何レモ有色デアル。
3. caCR, caCr, cacR並ニcacrナル構造ノ白色花ハ、莖緑色、花筒淡黄色デ種子ハ白色デアル。
4. 白色花CaCr, 又ハ白色花CacRト白色花caCRトノ間ノ交配デハF1ニ有色花ヲ與へF1デ、有色花ト白色花ハ9: 7ノ比ニ分離シタ。然シ、白色花Cacrト白色花caCRノ交配デハF2ニ有色花ヲ輿へ、F2デ、有色花ト白色花ハ27: 37ノ比ニ分離シタ。
5. Ca因子ガナイ場合ニハ假令C, R因子ガアルモ花色ハ白色デ、植物體ノ何レノ部ニモ葉緑素以外ノアントチアン、又ハソレニ類似ノ色素ガ獲達セズ、又、Ca因子ガアレバ、假令C, R因子ノ何レカ存セヌ場合ニモ、花筒、莖、種子ニアントチアン又ハソレニ類似ノ色素ガ發達スル點カラ、Ca因子ハ本植物ニ於テ、色素發達ニ重大ナル關係アル基本因子ト考ヘル。
6. Cacaナル構造ヲ有スル個體ノ次代ニ於テ、caca個體ノ分離藪ガ、3: 1ノ比ヨリ計算サレタソレヨリ、僅少ナル場合ガ時ニ観察サレタ。
7. F2ノ白色個體ノ次代デ、僅少ノ有色花個體ガ、白色花ト共ニ分離サレタ場合ヲ時ニ観察シタ。コハcaCaナルアレロモルフノ轉化ニ基クニ非ザルカ。

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