植物学雑誌
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TriticumAegilops ノ屬間雜種ニ於ケル染色體接合數ト其變化
片山 義勇
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1931 年 45 巻 537 号 p. 424-445

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抄録

1. Triticum durumAegilops ventricosa 間ノF1ニ於ケル 2x 染色體數ハ、花粉及胚嚢兩母細胞ニテ28ヲ數ヘ、二價染色體數ハ、花粉母細胞ニ於テ0-4、胚嚢母細胞ニ於テ0-3ノ間ヲ移行シ、頂級價ハ0ナリ。而シテ二價染色體ハ、例外ヲ除イテハ、皆一端ニテ接合セルモノナリ。
2. 染色體接合ハ主トシテ TriticumゲノムA-B間ノ同親和合ニヨリ、極稀ニ Aegilopsゲノムトノ異親和合モ起リ得ルコトニヨリテ説明セラルベシ。
3. 二價染色體數ハ固定時ノ異ナルニヨリテ變化ヲ生ズ。
4. 個體及正逆交配、小穗並ニ小花間ニ於テハ、接合數ノ變化ヲ認メズ。
5. 花粉母細胞ト胚嚢母細胞トニテハ、接合數ノ變化ハ大體同樣ナル傾向ヲ示セリ。
6. 一日中ニ於ケル時刻及一個體ニ於ケル出穗ノ早晩ニヨリ現ハレタル接合數ノ差ハ、主トシテ温度並ニ其作用時間ニ關與セラレタルガ如シ。
7. 圃場及鉢栽培、土壤水分ノ多少並ニ受光時間ノ長短ニヨリテハ、特別ナル變化ヲ示サヾレドモ、正常ナルモノニ於テ接合數稍ゝ多シ。
8. 3時間30°C近クノ高温ナル場所ニ置キ、次ニ8°C内外ノ低温ナル所ニ移シ、3時間置ケルモノト、反對ニ、低温ヨリ高温ニ移セルモノトニテハ、兩者間ノ接合數ニ特別ナル差異ヲ認ムルコトハ困難ナリ。
9. 温度5-40°C内外ノ間ヲ4階級ニ分チテ行ヘル2囘ノ實驗ニ於テ、最高温區ハ分裂ガ極度ニ害サレ、觀察シ得ザリシモ、他區ニ於ケル二價染色體數ハ、温度ノ増加ニ伴レ減少シ、1個細胞ニ對スル平均價ノ極差ハ、0.20-0.43ニシテ、其變化ハ15-24°C内外ノ範圍ニテ特ニ急激ナリ。
10. 染色體接合數ノ變化ハ、種々ナル條件ニヨリテ引起サレルガ如シト雖モ、觀察セル範圍内ニテハ、主トシテ一定時間作用セル温度ニヨリテ原因セラレタルガ如シ。

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