植物学雑誌
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還元分裂特に花束期に關する觀察並びに實驗
其の二 澱粉体及び脂肪粒の行動より觀た花束期細胞の極性
平岡 俊佑
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1949 年 62 巻 735-736 号 p. 121-125

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抄録

ムラサキツユクサ等8種の植物の花粉又は胞子母細胞では, 花束期に, 澱粉体又は脂肪粒はその數を著明に増加し, それらの大部分は花束像の基部の逆側の細胞質中, 核膜に近い部分 (プラスチツド極) に集合する。この事實より, 澱粉又は脂肪形成中の小体を引き寄せる極が細胞内に形成される事を知る。然るに, シラン等7種の花粉母細胞では, 脂肪粒の極への集合は認められないが, これは小体の脂肪形成能が花束期では微弱なものと推定される。

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